エイズ(HIV)

 エイズとは、HIV(通称エイズウイルス)に感染し、免疫力が低下して発症する病気です。日本での感染者数は増加の一途をたどっています。男女間の性行為による感染が近年急増しており、感染者は若い人に増えています。

[症状]
 HIVに感染すると、まず2~4週間後に感染初期の症状(発熱、のどの痛み、だるさ、筋肉痛、といったインフルエンザのような症状)が出てきます。人によっては全く症状が出ない人もいます。その後、5~10年間は症状のない「無症候期」です。この期間は、HIVを体の中に持っていても症状が出ません。したがって、知らず知らずのうちにパートナーを感染させてしまう危険もあります。
無症候期を経て、いよいよエイズを発症すると、症状は悲惨なものとなります。免疫力が低下し、しつこい下痢やひどい寝汗、理由のない急激な体重減少などがおきます。どんどん免疫力がなくなってくるため、健康な人では問題にならない程度のカビ、原虫、細菌、ウイルスなどに感染してしまったり、悪性腫瘍、神経障害など、様々な重大な病気を引き起こして最終的には死に至ります。

[原因]
 HIVというウィルスに感染し、約5~10年かけてエイズを発症します。感染経路には、性行為による感染(性器、肛門、口などの粘膜や傷口からHIVウィルスが血液内に入る)、注射器の回し打ち(麻薬や覚せい剤)による感染、輸血による感染(完全にHIVウィルスを排除するのは難しく、すり抜けて混入する可能性がある)、母子感染(へその緒を通して感染)があります。

[治療]
 まず、HIVに感染しているか保健所で調べてもらいます。これは無料で、匿名で受けることができます。感染がわかれば、治療を開始しなくてはなりません。残念ながらHIVを体内から完全に消す薬はまだ開発されていません。しかし、数種類の薬剤を服用することによってHIVの増殖を抑える治療が効果をあげています。治療がうまくいけば、エイズの発症を防いだり、遅らせたりすることができ、通常の社会生活が可能となります。

[受診科]
 内科、感染症専門内科

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